野外研究奨励基金
1997(平成9)年1月、ロシアのタンカー、ナホトカ号の座礁事故が起こりました。福井県三国の沿岸は、打ち寄せた重油で真っ黒になり、油にまみれた水鳥の写真が全国に流れて、その重大さに対する衝撃が広がりました。一艘のタンカー事故が、近隣の漁業に壊滅的な被害を与え、同時に、生態系にも深刻な影響が懸念されたのです。その時、全国から多くのボランティアが集合し、その活躍ぶりも大きくニュースで取り上げられました。
そこに、武蔵の高校生の幾人かが参加していたのです。福井県まで駆けつけ、寒風のもと、漂着する重油を柄杓で掬い、岩に付着した油を素手で拭い取るという作業に参加し、汗を流してきたというのです。この生徒たちが、そうした気持ちを抱くに至った経緯は詳らかにしませんが、その体験談は大変興味深いものでした。
同じ学校の人間として、こうした行為を誇らしく思うと同時に、さて交通費などはどうしたのか―勿論自前だったのですが、そのくらいの旅費をなんとか援助できないものだろうか、という声が誰ということもなく上がりました。
その時考えたことが、この「野外研究奨励基金」の発足の契機となったのです。
野外での活動にはいろいろあります。自主的・個人的な研究的活動や、いわゆるボランティア活動は多いに推奨しています。しかし、そのための経費は意外とかかるものです。本校では、こうした活動に要する交通費、宿泊費、調査研究費の一部(半額程度が目安)を選考の上で補助しています。
過去に補助を行った研究(一部)
- 薬師寺青年奉仕活動
- 霞ヶ浦移入生物の調査
- 北海道に於けるリゾート産業の実態
- 富良野ほか観光地開発の調査
- 老人保健施設介護活動
- 関東武士研究
- 河口湖と阿寒湖のマリモ研究
- 京都文化物保全に関する調査(落書きについて)
- 四国脇町のうだつの町並み
- アイヌ民族研究
- 太地・鯨の信仰と捕鯨分化
- 佐渡・トキを野生に復帰させる取り組みについて
- 太宰府調査
