校長散歩

2020.02.19

  • #卒業生

136 木曜会 −カンボジア特別法廷元国連判事の回想−

野口さん講演
講演をされた野口さん
2月13日(木)18時30分より、神保町学士会館を会場に武蔵同窓会が主催する「木曜会」が開催されました。これは各界で活躍する武蔵OBの講演会で、今回は外務省国際司法協力大使で最高検察庁検事の野口元郎(のぐちもとお)さん(第53期)が、『カンボジア特別法廷 元国連判事の回想』という主題でお話をされました。
カンボジアの大虐殺を聞いたことがあるでしょうか。1970年代後半、極端な原始共産主義を志向したカンボジア共産党(クメール・ルージュ 別名ポルポト政権)は、一説によると当時の国民の4-5分の1に当たる約170万人を粛清、虐殺、拷問、飢餓、病気などで殺害し、または死に至らしめたとされています。国内の司法制度では裁くことが難しい案件を裁くのが「国際刑事裁判」で、「カンボジア特別法廷」はそれを行うために国連とカンボジア政府が合同で設立・運営されたものです。野口さんは国連判事としてこの「特別法廷」で長年尽力されました。
野口さんは結びに「武蔵時代は『世界に雄飛する』などといった志があったわけでないので偉そうにはいえないが、その後色々と役割をこなしていく中で、やはり、武蔵生にはちょっとでもよいから自分のことだけでなく人のこと世界のことも考えられる人であってほしい」とのメッセージを送っていただきました。参加していた二人の武蔵生の胸には強く響いたと思います。
木曜会は一般のOBは参加費を取られますが、武蔵生なら参加無料。加えて学士会館の美味しい料理を食べられたり、OBとの人脈が広がったりします。年に4回程度開催されます。その都度掲示板に案内が出ます。今回参加した武蔵生も「一度行こうと思っていた」ということで申し込んだとのこと。ぜひ絶好の機会を生かし、それぞれを磨いていってほしいと思います。