校長散歩

2020.04.30

  • #行事

155 無念!

代表委員会室の画像
主不在で2か月の代表委員会室
4月30日 新型コロナウィルス感染の状況を踏まえ、いったん6月への延期を決めていた第98回記念祭ですが、生徒とも相談のうえ、中止と決定しました。
無念の一言です。
何故なら、武蔵生の記念祭にかけた思いと準備にかけた努力をよく知っているからです。部活動の研究発表や有志団体による各種企画もそうですが、とりわけ記念祭小委員会は、1年前から「To the next-武蔵が武蔵であり続けるために-」をテーマに掲げ、周到な準備を進めてきたからです。さらに、3月2日の休校措置以来も、厳しい状況の中で、いかにしたら、生徒や来場者の安全を確保したうえで開催できるかについて、Zoom会議などを通して知恵を出してきました。
そうした無念の思いにもかかわらず、記念祭小委員長の中島君はHPに掲載した中止を伝えるメッセージの中で、記念祭を楽しみにしていた人や、ご協力してくれた関係者・業者に対し、「期待に応えられない結果となってしまったこと」を詫びています。優しさと潔さに溢れた立派なメッセージです。
第98回記念祭小委員会は、今後、Web(ホームページ, SNS)を利用して、記念祭に向けて1年間準備してきた小委員会の取り組みおよび参加団体の活動を紹介する予定とのこと。こうした取り組みに対しては、学校としても全面的に協力したいと思います。
今年は、記念祭だけでなく部活動の生徒にとっても、集大成の大会である全国高校総体(インターハイ)がなくなりました。また、これまでの第二外国語での学習を踏まえ、英仏独墺中韓の提携校に行く国外研修もすべて中止になりました。
2020年という年は、当たり前にできていたことが当たり前にできない年になりました。
それぞれの生徒の無念さを思うと胸が痛みます。
「また次のチャンスがあるよ」という人もいるかもしれませんが、人生のこの時期はたった一度。本当に無念だと思います。
戦時中の無念さを描いた詩人に茨木のり子さんがいます。彼女の「私が一番きれいだったとき」という詩は、その時分に起きた戦争を恨みつつも、手探りながら、自分の人生を前向きに生きようとする思いが伝わる詩のように思います。
無念の思いを、何らかの形でそれぞれの成長につなげていくことを願ってやみません。
改めて、記念祭小委員会さらには各部活動部員、国外研修制度に選ばれた武蔵生のこれまでの努力に敬意を表したいと思います。