校長散歩

2020.11.13

  • #武蔵の風景

225 武蔵の文化財5 −時計塔−

時計塔の画像
武蔵の時計塔。ジグザグ模様のデザインが見えます。
武蔵には時計塔があります。時計塔があるのは現在の大学3号館。ここは1969年に高等学校中学校が濯川の南に移転するまでは、高中の教室として使われていました。
この3号館は、練馬区に現存する鉄筋コンクリート造りとしては最古の建築物。1923年の関東大震災も経験しています。「コの字型」の建物で、デザイン的にはアール・デコと呼ばれる初期モダニズムのもの。外壁の柱の凹凸や上部のジグザグ模様が特徴です。震災当時は、千川通りに面した正面部分はできていましたが、両翼はまだ建設中でした。被災した影響で、時計塔下の壁には亀裂がはいったとのことです。
ところでこの時計塔。四方に時計を置くためのくぼみがありますが、実際に時計が入っているのは正面の一か所だけ。なぜでしょう?機械が巨大なこと、また総重量の関係からとも思われます。
日が落ちると時計にはあかりが灯り、はっきりと時刻を読むことができます。百年近くの間、武蔵の時を刻み続けている時計塔です。
武蔵学園百年史「武蔵写真館」