校長散歩

2020.03.30

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146 生徒諸君へ(その3)−改めて何をすべきか?−

残雪とグランドの画像
季節外れの雪が残っているグランドは武蔵生を待ちわびています。
3月30日 校長散歩144で「生徒諸君へ(その2)」を発信してから、1週間が経ちました。イタリア、スペイン、フランス、イギリス、アメリカ等、世界各地ではロックダウンが進んでいます。国内の感染状況も、一時楽観的なムードも流れましたが、東京では『感染爆発(オーバーシュート)』に至るギリギリのところにいるという極めて厳しい認識が示されています。
若者の行動についても報じられています。若者が無自覚のままウィルスを運び、周囲の高齢者などに感染させてしまうリスクも指摘されています。外出を自粛する中でエネルギーを持て余してしまう厳しい状況とは思いますが、何よりも「感染拡大リスクを最小にする」という意識をもって思慮ある行動をしてほしいと思います。
そんな折、イタリアに在住している武蔵の同級生から、同級生で作るネットワークに久しぶりのメールが来ました。彼はイタリアでワクチンの開発研究に携わってきたとのこと。武蔵卒業後、医学部に進学し免疫学を専攻。その後スイスに渡り研究者として活躍し、さらにイタリアに移り、ウイルス学研究やワクチン開発を行って現在に至っています。
彼の話から、イタリアでは些細なことが重なってオーバーシュートが起き、医療崩壊を起こしていったプロセスが良く分かりました。
彼のメールはイタリアと日本の比較で結ばれていました。3月2日にイタリアの新型コロナ陽性者数は1835人で死亡者数は52人。一方の日本は、3月28日現在、陽性者数は1655人で死亡者数は52人。1か月前のイタリアの数字と同じです。でも現在イタリアでは感染者数は9万人を越え、さらに死亡者数は1万人を超えています。日本がそうならないようにという願いが感じられました。
未曽有の出来事が世界を覆っています。これまでも人類は数々のパンデミックを克服してきましたが、まさにグローバル時代のパンデミックになっています。一人一人の心掛けが大事だと思います。改めて武蔵生にも、今すべきことを考えて、厳しい状況ですが、心身のリフレッシュを行いつつ、日々の生活を有意義に過ごしてほしいと思います。