校長散歩

2021.02.10

  • #授業

251 武蔵の授業10 −中3社会「卒業研究」−

中3卒論発表の画像
卒論を発表する生徒の様子
2月9日、中3社会では1年かけて「卒業研究」を書き上げます。通常「卒論」と呼ばれています。私も社会の先生方とともに、あるクラスを担当し、1年間卒論指導をしてきました。
校長散歩170で紹介した休校明けの6月は、まだ研究主題を考えている段階でしたが、その後それぞれが自らの問いを明確にし、文献調査やフィールド調査などを経て、この冬休み明けに「卒論」を提出したところです。
研究主題も実に様々です。冤罪、スマホ依存症、転売、少年法、地球温暖化とエネルギー、ラジオの効用、原爆投下の是非、日本の財政と消費税、移民問題、百均、ゲーム産業の今後、生物多様性、格差問題、海洋プラスチック、新型コロナウィルス、人工知能、尖閣諸島問題と中国の戦略、ソーシャルメディアにおける匿名性、文化資源を活用した地方都市の観光戦略、サッカーの試合時間等々。
ノルマは5000字でしたが、多くの生徒はそれをはるかに超える分量を書きました。しかも学問的にも興味深い力作ぞろいです。
3学期は集大成ということで、それぞれの研究の発表を行っています。ここにいたるまでには主題や先行研究の発表から始まり、二回の中間発表を行いました。私もコメントなどを通して研究のサポ—トをしてきましたが、生徒同士の毎回の質疑応答はいずれも活発で、それが実り多い研究に結びついたと思います。
中3という段階で「学問」に向き合う体験をしたことは、とても良い財産になったと思います。中学校はここで卒業ですが、今後の高校における探究活動やその後の人生においても、卒論執筆体験を得て獲得した「学問的方法論」を生かしていってほしいと思います。