校長散歩

2019.11.28

  • #授業

098 狂言教室

狂言教室
生徒とやりとりをしながら解説する茂山忠三郎さん
11月21日、武蔵学園大講堂を会場に国語科が主催する『狂言教室』が行われました。演者は日本に受け継がれている『和泉流』と『大蔵流』の二つの狂言流のうち『大蔵流』の皆さん。京都で活躍されている『忠三郎狂言会』の皆さんにはわざわざ東京まで来ていただきました。
『忠三郎狂言会』の茂山忠三郎(しげやまちゅうさぶろう)さんの進行で、最初に『現存する世界最古の演劇』である能楽について、その歴史や見方、声の出し方など、わかりやすくかつ生徒を引きつける語りで、解説していただきました。
その後、『雁礫(がんつぶて)』、『以呂波(いろは)』、『伯母ケ酒(おばがさけ)』の三つの演目が披露され、会場は演技を見つめる張り詰めた空気と大きな笑いに包まれました。中でも『以呂波』では、忠三郎さんとまだ5歳の良倫(よしみち)君との親子共演が実現。愛らしい演技でした。
狂言と武蔵との関わりの歴史は古く、戦前から昭和45年まで、戦中戦後の時期を除き、正月の『年賀式』で狂言が行われていました。その後平成4年になって再開。三年ごとに高校生を対象とした『狂言教室』が開催されています。その間、忠三郎さんと武蔵の縁は、四世五世と二代にわたって続いています。
あっという間の二時間でした。こんな演目が学校で見られることに、「武蔵は恵まれているな」とつくづく思いました。忠三郎さんからは最後に、「温故知新」という言葉を引き合いに、「日本の良き伝統文化を知ったうえで、世界に羽ばたいてほしい」というメッセージを生徒に伝えていただきました。興味をもった生徒は、ぜひ「国立能楽堂」に行ってみるのもいいと思います。ありがとうございました!