校長散歩

2020.10.29

  • #武蔵の風景

218 武蔵の文化財4 −大講堂−

大講堂の画像
正面から見た大講堂
武蔵の誇れる建築物に大講堂があります。入学式、卒業式をはじめ儀式や様々な行事が開催されます。内部に入ると、何とも知れず厳粛な気持ちになります。
この大講堂は1928年(昭和3年)に建設されました。設計は、早稲田大学建築学科創設の中心メンバーで、大正昭和初期の建築家として著名な佐藤功一氏。佐藤氏は、当時、多くの施設の設計を手がけ、他に大隈講堂(1927年)、日比谷公会堂(1929年)等の作品を残しています。
1928年4月15日、1922年の開校以来、旧制7年制高校の全学年がそろい、施設もほぼ完成したことから、この大講堂で、「開校式」が挙行されました。
全校生徒・教職員のほか、この式典に参列したメンバーは錚々たるものでした。創立者の根津嘉一郎理事長、山川健次郎第2代校長(枢密顧問官、元東京帝大・九州帝大・京都帝大総長)。来賓として、田中義一首相、一木喜徳郎宮内大臣(初代校長、元文部大臣、のち枢密院議長)、水野錬太郎文部大臣、渋沢栄一翁、東大総長、京大総長等。このときはじめて、今も式典で歌いつがれている「武蔵讃歌」の斉唱が行われたとのことです。
その後、時は流れ、2011年には、旧来の概観・イメージを変えずに全面的な耐震強化・改修工事を実施して、今日に至っています。
私も、入学式のときにはじめて入った大講堂の景色をよく覚えています。大講堂は武蔵の歴史を見守ってきた建築物です。
「1928年4月15日開校式」の講堂内写真(「武蔵学園百年史サイト」中の「武蔵写真館」より)