校長散歩

2020.12.08

  • #その他

240 有馬朗人学園長の突然の訃報に際して

生徒と談笑する有馬先生のご様子
生徒と談笑する有馬先生のご様子
12月6日、有馬朗人学園長がご逝去されました。90歳でした。
有馬先生は旧制武蔵高校(第22期)卒業。東京大学卒業後、物理学者としてアメリカ・プリンストン大学をはじめ、ヨーロッパやアジアを舞台に活躍。その後、東大総長、理化学研究所理事長、参議院議員、文部大臣、科学技術庁長官などを経て、2006年からは武蔵学園長として、指揮を執られました。
先生とは先週も学園の会議でお会いしたばかりです。いつもニコニコされながら、ぶれることなく、大所高所から教育や研究の大切さに言及されていました。日本の教育や学術研究が進むよう、関係方面にも積極的に発信され、尽力され続けていました。
生徒諸君には、入学式や卒業式で、武蔵生に対する期待を込めて、「三理想」や「志」の大切さについて、よくお話をしてくださいました。昼休みにはよくキャンパス内や学園の近くを散歩されていました。偶然出会った諸君も多かったと思います。
先生は、常に若者への期待と希望を語られていました。その中でも一番期待し、希望を見出していた若者は、母校である武蔵生諸君だったと思います。研究者としてだけでなく、政治家・行政人としても、またご趣味の俳人としてもご活躍された先生が、ご自分の人生の集大成として選ばれたのが母校武蔵の学園長でした。生涯現役を全うされた有馬先生の教育や研究に対する志を、武蔵関係者として、生徒・教職員とともに受け継いでいきたいと思います。
有馬先生有難うございました。心よりご冥福をお祈りいたします。