校長散歩
2025.12.25
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847 「武蔵百年の森プロジェクト」本格スタート②

この日の活動の大きな目的の一つは、「間伐」です。80年前に植樹され、そのままになっていたヒノキの成育具合を診断。その診断に基づき間伐を行い、よりよいヒノキ林を創造していくことがねらいです。
このため、今回は前日から現地入りしていただいたNPO法人しんりんの皆様の力を借りながら、17本のヒノキを伐倒し、林の中により光が差し込むようにしました。
すでに16本のヒノキは前日までに伐倒されていましたが、私もまた、しんりんの方の入念なサポートをいただきながら、生まれて初めてチェーンソーを使用して、1本のヒノキを伐倒しました。
まずは、山の神への安全祈願を行うとともに、伐倒するヒノキに手をあてて、ここまで育ってきたことへのねぎらいと伐倒させてもらうことへの感謝を伝えました。
事前に入念なレクチャーを受けたとはいえ、初めて持つチェーンソーは重いものでした。安全を確保するための防護チャップスもつけながら、まず倒れていく側に、斜めと水平の角度からチェーンソーで木を切り、「受け口」を作ります。次に反対側の「受け口」より少し上を水平に切っていき、「追い口」を作ります。ある程度まで切ったところで、あとは倒れていく方向を間違えないようにコントロールしながら、倒木していく自然の力に委ねます。とはいえ、ヒノキは簡単には倒れないので、事前に木の高所にスイスイと登られた方(「空師」と呼ばれます)が打ち込んでいたクサビにつながれたワイヤーロープを、しんりんの方が引っ張って倒します。チェーンソーで切った時間は約5分。そしてミシミシと言いながら木が倒れていった時間は約3分。他の木に重なることなく、狙った方向にまっすぐに倒れていった木は、倒れた瞬間に少しバウンドをしました。
計測すると、直径は45センチ。樹高は24メートル(枝がない下の部分は14メートル)のヒノキでした。伐倒したヒノキは、市場で建築材として売れるように、その場で枝払いをして、4メートルずつに寸断していきます。
この木材をどう運ぶのかも実演していただきました。木にワイヤーをかけて、グラップルクレーンでフォワーダーという専用のキャタピラ車両に載せます。そしてフォワーダーで山道を下りて、トラックに載せていきます。
一連の作業は一歩間違えれば危険な作業ですが、しんりんの皆様のプロフェッショナルとしての熟練した技術に感動するとともに、林業の仕事の実際を知ることができました。
間伐されたことにより、木々への日当たりが確実によくなっていきました!
