校長散歩

2026.09.02

  • #授業

922 第5回東京大学研究室訪問

井上先生のレクチャーの様子
井上先生のレクチャーの様子
8月25日、東京大学研究室訪問が行われました。今回が第5回目になります。
この日はとても暑い日でしたが、高3から中3まで32名の生徒(理系27名、文系5名)が赤門前に集合。安田講堂前で記念撮影をしたのち、理系・文系それぞれの研究室を訪問しました。
理系の生徒たちを受け入れていただいたのは、大学院薬学系研究科天然物合成化学教室の井上将行(いのうえまさゆき)教授(63期)。
まず、井上先生からのレクチャーが始まりました。当初は物理を学ぼうと理1に入学したけれど、理論をゼロから立ち上げるより、泥の中から法則を見つけていくほうが自分に向いていると思い、有機化学の道へ入ったという進路選択の経緯に触れた後、現在井上研究室で取り組んでいる「天然物合成による創薬」についての概論をお話ししていただきました。医薬品資源としての生物活性天然物の有効性について、柳の皮に起源があるアスピリンの歴史の話から始まり、天然物が天然資源から十分に得られないことなどから、有機合成により新しい物質を作り出し(全合成)、それを創薬につなげていく研究のプロセスを、これまでの有機化学の歴史とともに、今現在、どのような手法で実験を進めているかも含め、わかりやすく語られました。生徒たちは、そのレクチャーを受けて、院生の皆様の案内で、グループに分かれ、研究室での実験の様子を見学しました。
文系の生徒を受け入れていただいたのは、東洋文化研究所の辻大和(つじやまと)准教授(75期)。専門は韓国朝鮮を中心とする東アジアの生物資源、文化資源の流通に関する歴史学研究です。辻先生のレクチャーは、東京大学および東洋文化研究所の歴史や設立の背景の説明から始まりました。そして、なぜ朝鮮半島の文化歴史に興味を持ったのかについて、武蔵時代の先生との出会いや部活の経験、国外研修での体験が契機になったことをお話しされたうえで、今取り組まれている研究やその意義について、ざっくばらんに色々と語っていただきました。生徒たちは、その後、東洋文化研究所内の書庫、さらに今回の文系は少人数ということもあり、東大総合図書館・アジア研究図書館(総合図書館4階)も見学することができました。
理系文系とも、身近な先輩ということもあり、質疑応答も活発にされ、生徒たちの質問にも丁寧に応対していただきました。
理系の研究室訪問では、最後に井上先生からは、キャリア選択について、「挑戦してみて自分でできることを探すこと。流行りすたりを気にするのではなく、自分がやっていて楽しいことをやっていけば未来は開ける」と後輩たちを励ましていただいたのが印象的でした。
生徒たちは大学生協前で解散。その後は思い思いに東大の広いキャンパスを散策しました。刺激的な一日だったと思います。
忙しい中、後輩のために貴重なお時間を割いていただいた井上先生、辻先生に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。
有難うございました!

辻先生のレクチャーの様子
辻先生のレクチャーの様子