校長散歩

2024.04.18

  • #生徒の活動

627「歴史民俗研究 櫻井徳太郎 賞」受賞報告

校長室での記念撮影
櫻井徳太郎 という民俗学者がいます。櫻井氏は1917年(大正6年)新潟生まれ。歴史・民俗学の大家である 柳田国男 の著作に惹かれ、晩年の柳田に師事するとともに、東京教育大学教授、駒澤大学教授・学長などを歴任。1962年(昭和37年)には第1回柳田賞を受賞するなど活躍し、90歳で逝去されるまで、板橋区に在住されたとのことです。
その縁で板橋区が創設したものが 櫻井徳太郎 賞です。これは、民俗学・歴史学・考古学等の研究分野を中心に、その人材育成を目指して創設されたもので、令和5年度の第22回 櫻井徳太郎 賞において、高2(受賞時高1)の田中君が高校生の部で見事優秀賞を受賞。4月12日、校長室に報告に来てくれました。
受賞論文の論題は「16世紀甲武”境目“地域における道と城郭—多摩川上流域を例として—」。多摩川上流域の青梅市、奥多摩町における「境目」(敵領と味方領の境となる地域)特有の道や、城郭の使用形態を、丹念に調査・分析したものです。審査講評として、「新旧の先行研究を理解し、それらの成果をしっかり踏まえたうえで研究がされています。現地で遺構の測量などを行って城郭の縄張図を作成しており、高い調査力がうかがえます。また、現地調査から得られたデータをもとに、先行研究や史料を用いて科学的に推察を加えている点なども高い評価を集めました」とのコメントが寄せられました。(板橋区教育委員会「第22回 櫻井徳太郎 賞受賞論文・作文集」)
聞けば、平成25年(第12回)と平成27年(第14回)でも武蔵生たちが入賞したとのことですが、久しぶりの受賞となりました。
田中君は、以前から城郭に興味をもっており、中3社会科の卒業研究(卒論)でも取り上げたとのこと。そこでも研究のノウハウを学んだことが今回の受賞につながりました。今後の抱負を聞くと、さらに研究を深めていきたいとのことでした。
自分の興味をどんどん深掘りし、さらにその成果を発表していってほしいと思います。おめでとうございました!