校長散歩

2025.05.27
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783 教員の研究成果3—東京都私学財団賞2年連続受賞—

武蔵の教員が、教育活動のかたわら研究心を持って研究活動に取り組んでいることはたびたびご紹介しています。校長散歩655では、その中で「東京都私学財団賞」を受賞したという話をしましたが、このたび2年連続で同賞を受賞したという嬉しい知らせが届きました。
数学の赤間教諭と理科の前廣教諭による共同研究で、研究主題は「理数系教科における1人1台端末を利用した授業内の活動の設計と評価」です。令和6年度に東京都私学財団に研究応募のあった14研究のうち、特に優秀と認められた二つの研究に贈られる「東京都私学財団賞」を受賞しました。2年連続の受賞というのは、聞いたことのない快挙だと思います。
受賞理由としては「理数系教科において、ICT機器の高度な利活用の段階に到達するモデルを構築したことにより、他教科・他校の教育に資する優れた研究である」とのコメントをいただきました。
研究の内容は、この間進んできたタブレット等の1人1台端末を用いた効果的な活用について、理科や数学での授業場面において、生徒の声を集約しながら検証し、今後の授業設計について考えるという、極めて今日的な課題に対応するものです。
理科の授業では、資料の共同編集やプレゼンテーションにおいての有用性は高いと生徒から評価されているとのことでした。一方で、学習場面や学習者の特性・嗜好に合わせた選択が可能となる授業設計の必要性について指摘しています。
また、数学の授業では、ワークシートを紙とアプリの両方を用意し、生徒に選択させ、振り返させてみたところ、「アプリの方がよい」という回答が、「取り組みやすい」「共有ができる」ことから有意に増加したとのこと。一方で、時間をかけて情報端末に習熟させるよりも、学習環境を整えたうえで効果的な授業設計を行うことの必要性について指摘しています。
武蔵では現在、コロナ禍を期にタブレットを全員に配布した状況を踏まえ、今後の進化の視点として、「アナログとデジタルの融合」を掲げています。私は、教育の場面では、武蔵がこれまで大切にしてきた「本物」や「泥臭い積み上げ」、いわばアナログの良さ・強みを基盤に置くことは極めて大切だと思いますが、同時に進化し続けているデジタルをどう「手段」として活用できるかが課題だと思っています。そういう点で、先生方の知見も生かしながら、引き続き試行錯誤を重ね、他校に誇れる「武蔵スタイル」を生むことが出来たらと思います。
2年連続の受賞おめでとうございました!