校長散歩

2025.06.23
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788 武蔵の授業30-高2哲学探究ディベート「イスラエルによるガザ封鎖の是非」-

6月19日、高2の哲学探究の授業で行われたディベート学習を見学しました。今回の論題は「イスラエルによるガザ封鎖の是非」。比較的スペースのある大教室を使い、1クラスが4つのグループに分かれてディベートを行います。それぞれ肯定側、否定側のチームに分かれ、司会の生徒の進行のもと、相互の立論、相互への尋問、さらに審判生徒からの質問も交えながら、相互の最終弁論がなされ、最終的に審判団からのジャッジが下されます。
ディベートにあたっては、事前学習を踏まえ、肯定側否定側ともレジュメが提出されています。各グループの論戦の様子を拝見しましたが、それぞれ内容や言葉は異なるものの、「国際法の範囲から逸脱しているか否か」、「これまでの歴史的経緯からみた認識の違い」、「人道的な配慮がされているか否か」などが主な論点とされていました。
ディベートのねらいは、説得力を競うことにより討論のスキルをあげるという側面もありますが、何よりも様々な視点から物事を考えるトレーニングを行うことだと思います。また、その事案について事前によく調べることにより、単に観念的な批判ではなく、地に足のついた議論ができていることも大切です。そういう点では、各チームとも良く調べたレジュメが作られていました。また、それらに基づいて熱心な討論がされており、感心した次第です。
日本から1万キロほど離れたパレスチナの地では、今も悲惨な戦争が続き、多くの市民が苦しんでいます。さらに、現在、イランとイスラエルが交戦状態に突入し、アメリカの軍事介入の可能性も報じられています。
今回生徒たちはディべート学習を通じて、中東問題に対する理解を深めたと思います。さらにその先、リアルタイムで起きている課題にどう向き合っていけばよいのか、どう解決していけばよいか、考えさせられました。
※この原稿を書き終えたのち、米軍によるイラン核施設空爆が行われました。