校長散歩

2025.08.28
- #進路
806 オックスフォード大学進学の報告

Tazaki財団という奨学財団があります。これは田崎忠良さんという英国で活躍されている実業家が、ご自身の経験を踏まえ、「日本人としてのアイデンティティーをもって世界で活躍し、 日本をあるいは世界をリードする人になってもらいたいとの思い」から、設立された奨学財団です。具体的には日本の高校生を英国のパブリックスクールに送り、さらに英国大学への進学を目指す機会を与えようという奨学金です。
公益財団法人 Tazaki財団 Official Website
本校でもご縁をいただき、2年前に初めて、当時高2生だった神立君を英国のパブリックスクール(Christ‘s Hospital)に送り出しました。その神立君が2年間の学習を終えて帰国。このたび、オックスフォード大学バイオ・メディカル・エンジニア学部への進学が決まったことを報告に来てくれました。
本校でもご縁をいただき、2年前に初めて、当時高2生だった神立君を英国のパブリックスクール(Christ‘s Hospital)に送り出しました。その神立君が2年間の学習を終えて帰国。このたび、オックスフォード大学バイオ・メディカル・エンジニア学部への進学が決まったことを報告に来てくれました。
2年ぶりに会った神立君はすっかり逞しくなっていました。そしてさわやかでした。英国での生活や進路選択の経緯について、話を聞かせてもらいました。英国の高校では中等教育学校を終え大学進学を目指す過程を6thフォームと呼びます。神立君はそこで数学、発展数学、物理、化学の4科目のAレベル科目を選択。1クラスは10人以下の少人数。正直なところ、武蔵のレベルで学んでいたので、学習についていくことはそんなに難しくなかったそうです。一方、英語には苦しんだとのこと。留学当時のIELTSは留学に必要な最低ラインの5.5。当初は授業も含めて、聞き取ることもできなかったそうですが、アウトプットを積極的に意識することにより3か月くらいから段々と会話ができるようになり、大学入試前に再度IELTSを受けたところ、8.0まで上がっていたそうです。
教科以外にも、英国の学校で広く行われている「The Duke of Edinburgh‘s Award」という取組に参加し、ギター演奏やボランティア活動、冒険旅行を行ったそうです。また、寮生活や長期休み中のホームスティの中で、積極的に生活を楽しむことができたとのこと。寮生活でできた仲間とのつながりや、ホームステイ先の家族の温かさは、彼の留学生活を支えてくれたようでした。
大学進学の仕組みも、日本とは全く違います。「自分が将来何をやりたいのか」を真剣に考え、大学・学部を選択。個別試験やインタビュー(口頭試問)が行われ、その結果オックスフォードからオファーをもらったとのこと。さらにオックスフォードから求められていたAレベルの試験もクリアして、入学が決まりました。合否を分けるインタビューでは、必ずしも十分に答えられなかったかもしれないけれど、武蔵で学んだ「自調自考」の姿勢が評価されたのではないかと振り返っていました。
大学では、バイオ・メディカル・エンジニアという工学を医学に生かす分野で、まずは3年間の学部と1年間の修士課程の4年間、学んでいきたいとのこと。この分野は目覚ましく進展しているけれど、日本人はまだあまりいないようです。Tazaki財団の「日本と英国の懸け橋になれ」という思いも踏まえ、まさに「東西文化融合を実現したい」と語ってくれました。さらに脳のメカニズムに興味があり、将来的にはその分野で、認知症医療などにも貢献したいと抱負を語ってくれました。
最後に「武蔵の後輩に一言」と聞くと、自分の好きなこと、やりたいことを「言語化する」ことの必要性について指摘してくれました。英国では、そのことを何度も何度も聞かれる中で、自分でも考えを磨いていったそうです。
武蔵のグローバル構想では「思い切って外へもっと先へ」とうたっています。そのフロントランナーとして世界に飛び出し、結果も出した神立君を嬉しく思います。彼に続いて、現在英国で学んでいる奨学生もいますし、2学期には次年度に向けての説明会も行う予定です。ぜひ後輩諸君にも、Tazaki財団に限らず、様々なバイパスを使いながら、「思い切って外へ」飛び出していってほしいと願います。
神立君は、同期である武蔵の99期生の頑張りも励みに、留学生活を送ったそうです。武蔵の卒業証書は渡せませんでしたが、神立君も武蔵の同窓生です。これをスタートにして、気持ち新たに、「もっと先へ」と進んでいってほしいと思います。