校長散歩

2025.01.17
- #授業
713 武蔵の授業28 -中2 国語 「夢」創作集-

今年度の中2国語の現代文の授業では、夏目漱石の『夢十夜(ゆめじゅうや)』を扱ったとのこと。その鑑賞を踏まえ、中2生は「夢」を題材に800字以上1600字以内の短編小説を自ら執筆。このたび、その小説を冊子化したものが完成したとのことで、1月10日、教科担当の先生が見せてくれました。中2生全員の作品が、1人残らず掲載されていました。
『夢十夜』は、漱石が編んだ短編集。1908年(明治41年)に東京朝日新聞に連載されたもので、漱石初期の著作になります。第一夜、第二夜、第三夜、第五夜は「こんな夢を見た」の書き出しで始まり、時代を越えた10の幻想的な夢の世界がつづられています。そうした中にも、人間に対する深い洞察が垣間見られる、簡潔で美しい文体の作品です。
この漱石の書き出しを模して、中2生も「こんな夢を見た」から始まる短編小説に挑戦。いわば漱石の夢十夜に続く「第十一夜」になりました。
私も全員の作品を楽しく読ませてもらいました。「夢」というと最初は「将来の夢」のようなものを想像していましたが、そうではありませんでした。担当の先生も記しているように、「ひと言で夢と言っても、各々が想像する夢の世界は千差万別。時にはSFやミステリー・ファンタジーの内容のこともあれば、自分の原体験や追憶・憧れの風景・歴史の1コマが描かれていたかもしれない」というものでした。漱石の原作にあるように、幻想的な作品も多くありましたが、同時に生徒諸君の日常生活や家庭生活も垣間見られ、とても面白かったです。また、中2生の文章力にも感心しました。
私も武蔵の高校時代に、現代文の授業で「小説」を書いたことを思い出しました。当時同級生がどのような小説を書いたかはわからなかったし、自分の作品もどこかにいってしまいましたが、もしこの冊子のような形で残っていたら良かっただろうなと思います。生徒たちも数年後にこの冊子を手に取って、中2時代の自分をきっと懐かしく振り返るのではないかと思いました。
素敵な作品集でした。
『夢十夜』は、漱石が編んだ短編集。1908年(明治41年)に東京朝日新聞に連載されたもので、漱石初期の著作になります。第一夜、第二夜、第三夜、第五夜は「こんな夢を見た」の書き出しで始まり、時代を越えた10の幻想的な夢の世界がつづられています。そうした中にも、人間に対する深い洞察が垣間見られる、簡潔で美しい文体の作品です。
この漱石の書き出しを模して、中2生も「こんな夢を見た」から始まる短編小説に挑戦。いわば漱石の夢十夜に続く「第十一夜」になりました。
私も全員の作品を楽しく読ませてもらいました。「夢」というと最初は「将来の夢」のようなものを想像していましたが、そうではありませんでした。担当の先生も記しているように、「ひと言で夢と言っても、各々が想像する夢の世界は千差万別。時にはSFやミステリー・ファンタジーの内容のこともあれば、自分の原体験や追憶・憧れの風景・歴史の1コマが描かれていたかもしれない」というものでした。漱石の原作にあるように、幻想的な作品も多くありましたが、同時に生徒諸君の日常生活や家庭生活も垣間見られ、とても面白かったです。また、中2生の文章力にも感心しました。
私も武蔵の高校時代に、現代文の授業で「小説」を書いたことを思い出しました。当時同級生がどのような小説を書いたかはわからなかったし、自分の作品もどこかにいってしまいましたが、もしこの冊子のような形で残っていたら良かっただろうなと思います。生徒たちも数年後にこの冊子を手に取って、中2時代の自分をきっと懐かしく振り返るのではないかと思いました。
素敵な作品集でした。