校長散歩

2025.02.12
- #生徒の活動
- #チャレンジ
722 アスペン・ジュニア・セミナー成果報告

『アスペン・セミナー』をご存知の方はいるでしょうか。アスペンというのはアメリカ コロラド州にある避暑地の地名です。第二次世界大戦後の1950年ごろ、国際関係の緊張や文明の瑣末化といった時代状況を背景に、世界で活躍する学者、芸術家、実業家たちが、休暇を利用して集まり、古典的名著をテキストに、自由な対話を通して「現代をいかに生きるか」を思索することに端を発しました。
その後、1998年、日本でも日本語によるアスペン・セミナーを開始。2008年からは高校生を対象としたジュニアセミナーも始まりました。
校長散歩122でご紹介したように、2019年に武蔵生も初めて参加。その後、コロナもあり参加が途絶えがちでしたが、今年度は3名の高校2年生が参加しました。このたび全4日間のプログラムを終えた武蔵生たちが、その成果について報告に来てくれました。
今年の参加者は武蔵生も含め、全員が高校2年生。約60人が3グループに分かれます。11月から1月にかけて、東洋大学京北高校を会場に、首都圏の公立・私立高校の生徒たちが集まり、古典的名著のエッセンスを講読しながら、対話を行いました。
取り上げられた古典は、芭蕉の『おくのほそ道』、アリストテレスの『形而上学』、ソローの『ウォールデン 森の生活』、旧約聖書の『創世記』、オルテガの『大衆の反逆』、森鴎外の『かのように』とのこと。
取り上げられた古典は、芭蕉の『おくのほそ道』、アリストテレスの『形而上学』、ソローの『ウォールデン 森の生活』、旧約聖書の『創世記』、オルテガの『大衆の反逆』、森鴎外の『かのように』とのこと。
参加した生徒たちに感想を聞くと、一様に「楽しかった!!」とのこと。「古典を読むことができて良かった。内容が深く、しかも上手に配列されていた」「現代の問題に通じる内容で、色々と考えさせられた」「参加者は皆しっかり読み込んできていて、他校の同年代の生徒と真剣に対話することが楽しかった」「対話を通して、色々な見方や考え方が示され、解釈が深まっていくプロセスを実感できた」など。そして「後輩にも勧めたいと思いますか?」と聞いたところ皆大きく頷き、同意してくれました。
このプログラムは高校2年生限定です。人生の成長過程でそれぞれ様々な経験をしてきた高校2年生が、学校の枠を越えて、古典を鏡にしながら、人生について、社会について考えることは、本当に意味があるし、楽しい作業だと思います。
来年度も夏休み前に募集をかける予定ですので、ぜひ新高校2年生も挑戦してみるとよいと思います。お薦めです!