校長散歩

2025.03.22

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742 内海州史セガ社長兼COO特別授業

3月13日、内海州史さん(株式会社セガ代表取締役社長執行役員COO、54期卒)をお招きして、大学1号館のシアター教室を会場に、前日の林さんに続き、特別授業が行われました。 会場には、中3生全員と中1から高3の希望者をあわせて270名の武蔵生が集まりました。
演題は「ゲーム業界の進化とその考察」。武蔵時代の話や卒業後の経歴から始まり、ゲームビジネスのトレンドと将来について、まずは60分のレクチャー。途中、映像も交え、笑いも取りつつ、聴衆を飽きさせないプレゼンテーションでした。
武蔵時代は、運動は「得意」だったけれど勉強は「かなり得意ではなかった」。やる意味がわかっていないこともあるけれど、多動症で集中できなかったという自分の特性を理解していなかった。浪人時代に「自分は多動なんだ」と自分自身を発見。逆にその特性を生かして、縁あってソニーに入社。その後、「自分のため」と思えるものを求めながら、起業も含め、エンタメ・ゲーム業界を渡り歩いてきた山あり谷ありのご自身のキャリアについて、簡単に振り返っていただきました。
続いて、新技術を積極的に取り入れながら、進化をし続けているゲーム業界の歴史を、動画も使いながら、わかりやすく説明していただきました。また、音楽、映像、ゲームのもつそれぞれの特性や、インターネット、モバイル・スマホの活用、さらにはAIの進化にも触れながら、ゲームをやる目的も大きく進化している現状について指摘されました。そうした中で、「ゲームを文化として捉える」視点の重要性とともに、グローバル展開をする上での文化の発祥地としての日本の面白い立ち位置、さらには日本コンテンツの強みと課題について語られました。最後に、ゲーム・アニメを軸に多方面にトランスメディア展開している今の流れを紹介しつつ、武蔵の三理想を踏まえ、「ゲーム業界の今後はどうなるのか」と、生徒たちに投げかけてプレゼンテーションは終了しました。
その後の質疑応答では、興味をそそられた武蔵生から多くの質問が出てきました。全部で31本。最新技術、海外展開、マネジメントの心得、高中時代にやるべきこと、ゲームの弊害、三理想の意味、売れ筋の見極め、開発の心得、キャリア形成で大事なこと、変化への対応など、実に多様な質問でしたが、一つ一つ丁寧に対応していただきました。
実は内海さんは私と同じバレー部の4つ後輩。彼の武蔵時代をよーく知っています。この特別授業を機に久しぶりに再会しましたが、昔とちっとも変っていない「いい奴」でした。その内海さんが、芳名録に武蔵生へのメッセージを記帳してくれました。
「多動して、自分の居場所を見つけよう」
集中力がない自分自身を理解し、逆にそのことを生かして、色々と動く中で、様々な出会いを見つけ、自分の輝ける場所にたどり着く。できそうで、なかなかできません。そうした動きを邪魔しようとしているのは、ひょっとすると世間体とか既存の価値観かもしれません。講演を聞いていた後輩諸君には大きな励みになったのではないでしょうか。
昨年も世界15か国を旅した内海さん。「全然疲れない。楽しいよ」と語ってくれたように、まさに多動を生かしている内海社長でした。
後輩のために、本当にものすごく忙しい時間を割いて、母校に来てくれた内海社長にこの場を借りて感謝します。
有難うございました!
  • 多動して、自分の居場所を見つけよう
    内海さんのメッセージ
  • 特別授業後の記念撮影
    特別授業後の記念撮影