校長散歩

2022.09.15

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450 東大研究室訪問(その2)

史料編纂所前での記念撮影
9月5日、東大研究室訪問を行いました。文系は、東大史料編纂所の 本郷 和人 教授にお世話になりました。本郷先生の専門は日本の中世史。史料編纂所で『大日本史料』第五編の編纂を担当するほか、歴史に関する様々な著作を世に送り出すとともに、メディアへも積極的に出演され、歴史を身近なものとして語られています。
本郷先生は大変気さくな先生で、生徒たちと楽しくお話をしていただきました。講義では、社会生活で「ウラ」をとる必要性から始まり、歴史学において歴史資料に基づいて歴史事実を復元する重要性について、実際の古文書や古記録の読み解き方など具体的な事例に基づきお話をしてくださいました。生徒たちも、気の遠くなるような地道な歴史検証の作業の実際に触れ、驚いたことと思います。
さらに、武蔵時代のお話や高校時代の進路選択の心構えなどへと話が進み、生徒からは、歴史学や民俗学の専門的な質問に加え、武蔵時代の授業や部活のこと、現在の本郷先生のお仕事のことなど、多岐にわたる質問が出ました。あっという間の2時間あまりでした。
最後に、私のほうからも「歴史を学ぶ意味」についてお伺いしたところ、先生はビスマルクの言葉を引用されました。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。経験の背後にある普遍性をどう読みとるか。帰納から演繹をどう行っていくか。「物事の因果関係を探る思考は、色々なことに役立っていく」という言葉に、本郷先生の日頃の仕事ぶりの根幹にある「情熱」に触れた思いがしました。
研究室訪問のあとは、理系・文系ともキャンパス内を自由散策。安田講堂、三四郎池などを巡り、生徒諸君にとっては、東大の広さと深さを感じた一日だったと思います。
お忙しい中、後輩のために時間を割いていただいた水島先生と本郷先生に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。
有難うございました!