校長散歩

2022.09.20

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452 ホームカミングデイ ー柳沢 正史先生講演会ー

特別講演会での質疑応答の様子
9月10日、卒業生が母校に戻ってくるホームカミングデイが行なわれました。
まだまだコロナ禍ということで、以前行なわれていた部活ごとの現役生とOBの交流は限られての開催となりましたが、恒例の各界で活躍されている卒業生による特別講演会が、同窓会並びに武蔵医歯薬の会の共催で、大講堂を会場に行なわれました。多くの同窓生に混じり、55名の現役生徒諸君も参加しました。
今回の講演者は53期卒の 柳沢 正史(まさし)先生。柳沢先生は現在、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)機構長で、ノーベル賞受賞の季節になると、毎年候補者として名前があがるほど国際的に活躍をされている研究者です。
本日の演題は「睡眠の謎に挑む~原理の追求から社会実装まで~」。哺乳類をはじめ魚も昆虫も線虫も行う睡眠。何故生物は眠らなければならないのか。そもそも眠気の実態とは何かという未解明の命題に対して、極めてわかりやすく、最新の知見も織り交ぜながら語っていただきました。
「昼間の眠気は『病気』である」「日本人は睡眠時間が世界的にもっとも短く、それは日本の文化に関係している」という問題指摘にはハッとしました。さらに、「しっかり夜に睡眠を取ることの大切さ」についての様々な実証とともに、先生が発見された眠気を誘う「オレキシン」を切り口に、睡眠障害に悩む人々への実効的な対策が示されました。
質疑応答も含め、あっという間の2時間でした。武蔵生からも多くの質問が出されました。講演中の静かさの中にも説得力のある話し方、さらに丁寧に質疑応答をされている柳沢先生の様子を見て、私は「格好良さ」を感じました。
柳沢先生は、若くしてアメリカに渡り、世界中の人々の共通関心である「睡眠の謎」の解明や「良い睡眠」の支援に取り組んでこられました。そして、現在は日本の地において、「睡眠のメカニズム」を明らかにするため、世界に誇る睡眠研究拠点を設立し、リードされています。本当に素敵な卒業生でした。
日々の生活の中で、「よりよい睡眠を心掛けたい」と思うことができた講演会でした。武蔵生にも多くの刺激をくださった柳沢先生に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。
有難うございました!