校長散歩

2023.03.29

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502 特別授業「武蔵高校卒業生が語るプリンストン大学」

講演会の様子
3月15日、特別授業の一環として「武蔵高校卒業生が語るプリンストン大学」と題した講演会が行なわれました。講師は学習院大学数学科教授の 山田 澄生 さん(61期卒)。山田先生は武蔵卒業後、直接に米国プリンストン大学に進学。その後、スタンフォードで学位を取得し、アメリカの各大学で教鞭をとられ日本に戻ってこられました。当日は、50名を超える高中生が視聴覚教室に集まりました。
講演では、アイビーリーグの1つであるプリンストン大学のキャンパスの様子、特徴・魅力を始め、ご自身の経験談を踏まえ、米国留学で学んだことについて、わかりやすく語っていただきました。
「アメリカの大学には『勉強で努力するといいことがある』という信条、因果関係が無条件に大学コミュニティ全てのメンバーに共有されている」という言葉にうなずかされました。大学入試がゴールになり、そこでくたびれてしまい、大学ではサークル活動やアルバイトに価値を置きがちな日本との違いだと思います。また、「アメリカの大学・大学院は『コントロールされた不確実性』を学生に提供し続けるところであり、留学することは独創性を鍛える良い機会になる」という言葉にも説得力がありました。そうした中で、Provincial(「田舎の」という意味から転じ、「あるところまで来たらこれでいいや」という価値観)ではなく、どの場所どの立場になっても、Provincialでない環境を探し続けることの大切さを、山田先生はアメリカでの生活から学ばれたとのことで、そのことを後輩に伝えたいと語っていただきました。
他にも印象に残ったお話がありました。プリンストン大学へ進学したきっかけは、武蔵校内に掲示してあった「近衛プリンストン奨学金」のポスターだったそうです。まだ今ほど、高校卒業後に直接進学する生徒がいなかった時代に、帰国子女でもなく英語もペラペラではなかったけれど、そのポスターを見て「やってみよう」と応募したそうです。
「チャンスの神様は前髪しかない」と言います。突然目の前に神様が現れたときに、「即断」してその髪の毛を掴むことができるかどうか。そこから運命が切り開かれていくんですね。突然現れるチャンスをものにするためには、日頃から問題意識をもって考え続けていることが大事だと思います。
素晴らしい話を有り難うございました。参加した武蔵生からも質問が相次ぎました。彼らの心に火をつけてくれたと思います。この場を借りて御礼申し上げます!