校長散歩

2021.07.12

  • #行事

309 中3歌舞伎鑑賞教室

歌舞伎教室の画像
国立劇場内フォト・スペースでの記念撮影
7月5日、国立劇場を会場に、中3の「歌舞伎鑑賞教室」を行いました。
武蔵では、古典芸能に触れる機会が二回あります。一つは校長散歩98で紹介した、高校生を対象に三年に一度行う「狂言教室」。もう一つが中3を対象に毎年実施する「歌舞伎鑑賞教室」です。
昨年度は残念ながら新型コロナウイルスの影響で実施できませんでしたが、今年度は国立劇場が定めた「新しい鑑賞様式」を踏まえ、実施することができました。
本日の演目は『義経千本桜』のうち「河連法眼館(かわつらほうげんやかた)」の場。前半20分で、「歌舞伎のみかた」と題して、見どころや歌舞伎の基礎知識などについての解説を受けた上で、後半1時間20分で演目を楽しみました。兄である源頼朝に追われる身となり吉野山に落ちのびた義経の逸話と、同地周辺に伝わる源九郎狐の伝説を元に創作された、狐の親子の情愛に満ちた場面です。静御前の打つ「初音の鼓」に合せて意外なところから現れる全身真っ白な狐など、舞台上の様々な仕掛けや俳優の演じ分けも見事でした。
ほとんどの生徒が初めての歌舞伎鑑賞のようでしたが、解説もあったせいか、みな興味深く鑑賞していて、感心しました。
『義経千本桜』は、歌舞伎の分類でいうと、時代物の「義太夫狂言」になり、『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』・『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』と並び、「義太夫狂言」の3大名作の1つとされています。
歌舞伎には、他にも、町人社会の出来事や事件など、世間の話題を劇化した世話物があります。機会があれば、今度は自ら国立劇場や歌舞伎座に行って、古典芸能の奥深さを楽しんでもらえたらと思います。