777 記念祭18 —國中均さん講演会—

4月27日（日）、大教室を会場に、國中均さん（国立研究法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）宇宙科学研究所前所長、53期卒）の講演会が開催されました。この日國中さんは世界最大の学会である米国航空宇宙学会（AIAA）からの国際協力賞授与のためアメリカ滞在中とのことで、それでも後輩からの要請に応えていただき、リモートでの講演を引き受けていただきました。会場は在校生も含め、ぎっしりの来場者で埋まりました。

演題は「JAXAの惑星探査計画」。武蔵太陽観測部の卒業生がJAXAで多く活躍していることのエピソードから始まり、エンジニアとしてかかわった小惑星探査機「はやぶさ」に装着されたイオンエンジンの原理や開発エピソード、イオンエンジンを装着した「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」へ着陸し、地表のサンプルを収集したあとエンジントラブルを解消しながらも地球に帰還してきたこと、さらにはプロジェクトマネージャーとして、「はやぶさ」の経験を踏まえつつ「はやぶさ2」のミッションを成功させたこと、持ち帰ってきたサンプルを分析し、アミノ酸を抽出することにより、太陽系46億年の歴史解明や、宇宙のどこかに生命が存在する可能性も出てきたという知見、そしてJAXAが取り組んでいる宇宙探査計画の進捗状況についてもお話いただき、あっという間のわくわくする60分でした。その後、フロアからの質問についても、一つ一つ丁寧に答えていただきました。

校長散歩223や354、667でもご紹介したように、國中さんにはこれまでもたびたび母校に来ていただくなどして、後輩たちを応援していただいています。お話を伺うたびに、どんな状況にあっても研究心を持ち続けてきた結果、世界の宇宙探査に深く貢献されてきた國中さんのことを、武蔵の校長として誇りに思います。この3月で宇宙研究開発所長の職から離れられたとのことですが、引き続き世界の宇宙探査の発展に向けて、ご活躍されること思います。

お忙しい中、在校生の要請を受けていただいた國中さんに、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました！