校長散歩

2025.09.30

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818 中2生徒「創造性の育成塾」参加報告

校長室での記念撮影
「創造性の育成塾」は、日本の科学技術をリードする青少年の育成を目的とした夏合宿です。対象は全国から選抜された理科好きの中学2年生。関係者の皆様の熱い志で参加費は無料。2006年の開始以降、世界的な物理学者で東大総長や文部大臣も務め、長年武蔵の学園長を務められた故有馬朗人(ありまあきと)先生を塾長に、ノーベル賞受賞者など一流の科学者や実験名人の先生を招き、開催されてきました。有馬先生が亡くなられたあと、その遺志を継いで2022年より、前東大総長の五神真(ごのかみまこと)理化学研究所理事長を塾長に迎えて、活動が継続されています。様々な分野を横断的に学ぶSTEAM教育に開始当初からいち早く取り組んでおり、特定の分野に特化した知識でなく普遍的知識と能力を備えた人材の育成を目指しているとのことです。
今年も縁あって、武蔵の2名の中2生が参加。9月24日、その成果を報告に来てくれました。
二人は学校からの案内をきっかけに応募したそうです。第19回夏合宿に参加したのは、全国から集まった40名。7月28日から8月1日にかけて、東京大学本郷キャンパスで4泊5日の日程で行われました。宿泊は本郷周辺の宿だったそうです。
合宿では、様々な分野での第一線の先生方から講義を受けました。生徒たちは、自分で書いたその講義ノートを見ながら、内容について報告をしてくれました。特に五神塾長からは、光量子科学についての専門的な話だけでなく、人生論にも話が及んでとても参考になったとのこと。さらに講義のあと、直接後輩である武蔵生に声をかけに来てくれて感激したとのことでした。ちなみに五神塾長は私の武蔵での同級生でもあります。また、梶田隆章(かじたたかあき)先生からはニュートリノやハイパーカミオカンデの最新の話を伺い、これも大変刺激的だったようです。まさに日本の財産ともいうべき先達や最先端の研究者・教育者が、中学2年生という「未来」に直接語りかける機会は、彼らにとって本当に贅沢な有難い時間だったと思います。
また、毎日、物を作る課題研究があり、それを全国からの同世代のチームで取り組むことも楽しかったようです。具体的にはリング飛行機を作りそれを飛ばしてコンテストを行ったとのこと。飛距離やデザインやプレゼンを競い合って賞状をもらったとのことで、これも次につながる良い体験になったと思います。
二人は理科系の部活動に入っているわけではないそうです。ただ、今後、この経験もきっかけに、生物や医療の関心をさらに深めて、進路にもつなげていきたいという抱負を語ってくれました。
武蔵の卒業生である有馬先生が立ち上げ、同じ武蔵の卒業生である五神先生が後を継いでいる、いわば武蔵に縁の深いこの夏合宿へ、来年以降も、是非後輩の武蔵生には参加してほしいと思います。