校長散歩

2025.09.19

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815 高校生夏の医療体験プログラム参加報告

貴重な経験を経た修了証とともに記念撮影
Touch the Future | 未来の医療人 志を育むコミュニティというNPO法人があります。先端医療や地域医療など最前線での良質の医療体験を中高生に提供することにより、「なぜ医療に携わりたいのか、生と死に携わる覚悟はあるのか」など、医師を志そうとする中高生に、自らの将来を深く考えてもらいたいという熱い思いから運営されている団体です。
校長散歩の「061 医師体験プログラムの報告に来てくれました!」や「454 夏休み医療体験報告」「560 高校生医療体験学習報告」「684 高校生医療体験報告」で紹介してきたように、この医療体験プログラムは、縁あってこれまでも武蔵生が参加してきたところですが、今年の夏休みは二人の武蔵生がそれぞれ一週間の医療体験をすることができました。その内容は半端なものではありません。医師をはじめ、各病院の全面的なご理解ご協力のもと、病院での医療を丸ごと体験します。また、全国から応募してきた医師を志す高校生と自炊をしながら共同生活を送るとともに、医学生がメンターとしてサポートし、参加者の成長を応援してくれます。
9月12日、医療体験を終えた二人の生徒が校長室に報告に来てくれました。 一人は島根県の町立奥出雲病院に行きました。総合診療の医師に病院内で密着するほか、地域での訪問診療などにも同行。「人のつながり」を大切にしている地域医療の現場に深い感銘を受けたようでした。問診を時間をかけて丁寧に行う医師の姿から、本当に大切なことを学んだようです。
もう一人は富山県の南砺(なんと)市民病院に行きました。ここでは、一人の医師に密着するというより、様々な診療科・部門の業務を体験。まさに「医療はチームだ」ということを実感したとのことでした。同時に、「病気ではなく人を診るんだ」という、様々な患者さんに向き合っている医師の言葉にも感銘を受けたようです。
語りつくせないほどの話を二人は語ってくれ、それが素晴らしい体験であったことが伝わってきました。この企画が本気の医療体験だからこそ、医師への覚悟が固まる人もいれば、医師はできないなと思う人もいると思います。私は、それはそれでよいと思っているのですが、二人の口からは、将来、総合診療医や山岳医を目指して取り組んでいきたいという高い志が語られました。 医師の地域偏在や診療科の偏在の問題が語られますが、こうした生徒たちを見ていると、「日本の未来は捨てたものではないなあ」と思います。将来は変わることもあるでしょうし、医師になるための準備も大変だと思いますが、どうか志のある医師になってほしいと願っています。
二人はこのあと、医療体験の成果をまとめ、日本地域医療学会に参加するそうです。頑張ってほしいと思います。そして、是非医師への道を考えている後輩の武蔵生も、先輩に続いていってほしいと思います。